海外人材の定着率、事業貢献度は「お世話役」で決まる。経営方針を理解し、日本に親しめるよう細やかに働きかけられる支援担当者を抜擢せよ。
特定技能外国人を受け入れする際に、彼らが安心して働ける仕組みを作ることは大切です。初めての土地で「わからないことだらけの」の外国人材がしっかりと業務に集中してもらうためには、介護事業者からの生活面でのサポートが不可欠です。
外国人材が安心して働けるように、介護事業者としてどんなサポートが必要になるのかを、ここではみていきましょう。
海外人材のお世話役「支援責任者」「支援担当者」とは
特定技能外国人の受入れをする場合、必須条件の1つに、「役員または職員の中から、支援責任者及び支援担当者(事業所ごとに1名以上)を選任していること」という内容があります。
支援担当者は職場での支援だけでなく、特定技能外国人の日本での生活に関わるさまざまな支援を実施していきます。
そのため、支援担当者を選任して終わりでは不十分です。また、場当たり的な支援も良くありません。施設長や支援担当者が代わり、支援内容も代わる、ということがあってはなりません。
大切なのは事業者側として支援計画を作成し、計画に基づき外国人材をサポートする体制を整えることです。
外国人材の生活面でのサポートは、重要な業務であるという認識を持って取り組んでいきましょう。
「支援責任者」「支援担当者」が担当する基本サポート業務
支援担当者は特定技能外国人が安心して働ける環境を整えるという重要な役割があります。
外国人材が悩みを抱えている、または、トラブルを抱えている場合は、すみやかに解決に向けて対応しなければなりません。
1. 住居の手配とサポート
外国人材のニーズに合わせて、居住先候補のリストアップし、物件の見学や契約手続きをサポートします。外国人材は自転車や公共交通機関での移動がメインになります。地域の住居環境やアクセスの良さなどについてアドバイスをしてあげましょう。
入居後に生じるトラブルや問題解決も生活支援担当者がサポートをします。例えば、不具合のある設備の修理手配や近隣トラブルの解決などです。
2. 日常生活のサポート
銀行口座の開設や公共交通機関の利用方法、買い物や医療サービスの案内など、日常生活で必要な手続きや情報提供を行います。
外国人材にとって銀行口座開設は重要です。手続きの案内や必要書類の説明、必要な手続きをサポートしてあげましょう。
移動に関しては、バスや電車などの公共交通機関の利用方法や料金体系を説明し、地図やアプリの活用方法をレクチャーします。
また、普段の生活において、日本の買い物の文化や医療制度を説明も必要です。近隣のスーパーやクリニックの案内など必要な情報提供を行います。
3. 言語サポート
言語問題は外国人材が苦労する一番の問題です。日常生活を送る上での日本語の習得はもちろんですが、介護の現場で必要となる日本語のやり取りについてもサポートが必要になります。
日本語学習の機会や通訳サービスの提供など、言語の壁を乗り越えるための日常的なケアが大切です。
日本語学習については教材の提供や学習計画のアドバイス、会話練習の機会を提供します。通訳サービスは重要な会議や医療機関での受診などで通訳が必要な場合、生活支援担当者の方が同席してあげることが大切です。
特定技能外国人として日本に来る外国人材は若い世代がほとんどです。故郷を離れ不安を感じている彼らにこそ、「家族のような生活面のサポート」が求められているのです。
昭和の家族経営的な温かさが溢れる日本人職員との業務外交流
外国人材が日本で働く際、業務以外での交流が重要です。日本人職員との親睦を深めることは、文化の理解や仕事の円滑な進行につながります。業務外の交流が外国人材の生活・仕事にどれほど影響を与えるか、彼らの活躍を支えるためにも交流・イベントを企画します。
1. 気軽に参加できる日本の伝統行事
日本の伝統行事に気軽に触れることができるイベントを開催してみてはどうでしょうか。日本人職員との交流や文化交流にもつながるはずです。
「餅つき大会」や「節分の豆まき会」など日本の文化にも触れながらも、業務外の交流を企画してみましょう。
2. 地域活動への参加
地域の祭りやイベントへの参加を通じて、外国人材が地域とのつながりを感じられるように支援します。地域の歴史や伝統、地域住民とのコミュニケーションを通じて、地域社会との絆を深めることができます。
業務外の交流は彼らとの信頼関係の構築にもつながり、業務におけるプラスになります。家族のようなつながり、それくらいの関係構築がポイントです。
地方や田舎でしかできない体験を通じて日本文化を学ぶ機会を提供
介護施設は自然環境が整った場所で静かに豊かな生活が送れるように、地方に立地していることが多いです。地方ゆえにアクセスが不便なことが多く、遊びに行ける場所も限られています。外国人材が地方や田舎での生活を楽しむためにサポートしてあげることも大切になります。
1. ローカルフード体験
地元の味覚を楽しむ『ローカルフード体験』では、地域の料理教室や食材の魅力に触れる機会をつくります。地域独特の味覚を体験し、食文化に触れることができます。料理教室や農家の方との交流から地域に対する愛着を感じることができます。
2. 日本の四季体験
日本の四季は世界的にも非常に珍しいものです。インドネシアなど赤道直下に位置している国は、日本とは違い四季ではなく乾季と雨季に分かれます。年間を通して気温が高いため、雪が降ることはなく、日本で雪を初めて見て感動を覚える外国人は多いようです。
まとめ
支援担当者を中心に介護事業者による生活面でのサポートは住居や日常生活の手続きから言語のサポートまで多岐にわたります。外国人材が日本での充実した生活を送り、安心して働けるようにきめ細かなサポートが介護事業者には求められています。
私たちASIA HUMAN GATEWAYは、単なる送り出し機関ではなく、現地の看護・介護専門学校と提携しており、在学中から日本語教育や介護現場実習を行い、日本での配属後のフォローまで一連の流れをサポートしております。
外国人材の活躍を支えるために、生活面のサポートの仕方についてご不明な点があれば、お気軽にお問い合わせください。